Outline of our Lab / 研究室の概要

田中研究室のテーマは何ですか?

2000年に研究室が誕生し,それ以来,約20数年にわたって宇宙のゴミ「スペースデブリ」を中核にした研究を続けています.これまでの研究活動の内容は,このWEBサイトで公開しています.

田中先生が,研究指導で大切にしていることは何ですか?

一言で「デブリ研究は難しいけれど面白い!」と感じてもらい,心の底から自分が取り組む研究テーマを好きになってもらいたいと思って,指導しています.専門バカにはなってもらいたくないので,一般教養を含めて多面的な幅広い視点や考え方をするように指導しています.

研究の進め方を教えて下さい.

毎週1回,110分のゼミナール(講義)が開かれます.毎週,全学生が事前に課された宿題(各自の研究テーマに直結した内容)をこなし,その成果報告をプレゼンテーションの形で発表します.さらに5分間のライトニングトーク(LT)の時間を設け,最新トピックスを発表してもらう時間も確保しています.田中を含めて皆で多角的な視点で討議を進めて行きます.授業時間外に,各自の研究時間をしっかり確保するように指導しています.そしてICTの技術を多面的に活用して研究は進みます.主にプログラミングの活動が中心になりますが,そのほかにも例えば,Macintosh, Windows, GNU/Linux全てのシステムに触れる機会があり,コマンドラインの操作, Office Suite(Word, Excel, PowerPoint, Pages, Numbers, Keynoteなど)の操作をはじめ,VPN, NAS, GIT, SNSツール, WEB技術などについても研究活動を通して必須で学ぶことになります.

大学以外に他の組織と関わりがありますか?

田中研究室から数名が,JAXA/宇宙科学研究所の水野研究室,阿部研究室,春山研究室へ外部研究(共同研究)に出ています.

研究室に居なければならないコアタイムはありますか?

コアタイムはありません.残念ながら,学部生の田中研究室の学生の専用居室がありません(実験室はあります).大学院生(修士課程以上)になると院生部屋と呼ばれる大広間に,他の研究室の大学院生と一緒に田中研の院生のデスクスペースが確保されています.研究ゼミナールの時には,田中の研究室に集合したり,広い教室を使ってディスカッションする形をとっています.この時間が唯一,学生達と顔を合わせる時間帯とも言えます.田中研究室では,講義である研究ゼミナールの時間以外は,すべて自分の研究テーマために打ち込む時間と考えており,あらゆる学生生活のアクティビティが,自らの研究を深め,進めるための自己研鑽の時間と考えています.日常生活全てが田中研究室のフィールドと捉えてもらいたいと思います.

研究室で求められるプログラミングのスキルはどの程度ですか?

田中研究室では,Python, MATLAB, C++を使って研究が進むことになると思います.学部2年生までに,一般教養の1つとして大学で開講されているPython言語,C言語,JAVA言語,C#言語の講義を履修しておくことが望ましいのですが,現実は全くプログラミングの初心者のレベルから研究室スタートすることが多いです.田中研の学生は,ほぼ全員,3年生の研究室配属からPythonとMATLAB,C++のプログラミングを学び始めています.皆,独学&先輩達の手助けなどを通して,加速度的にプログラミング能力を身に付けている実績がありますから,心配する必要はないと思います.学部2年生までにプログラミングの講義を受けておくと,自分にはプログラミングの素養があるのかどうか(相性がいいか),早い段階で見極められると思うので勧めていますが,必須条件にはしていません.ただし,田中研究室に配属になった時には,プログラミングは必須の研究活動の1つとなりますので,覚悟して真正面から取り組んで欲しいです.

田中研究室に所属している学生は何名ですか?

2024年現在,田中研究室には27名の学生が所属しています.工学部・航空宇宙学科の学生(B3/10名, B4/12名)と工学研究科・機械工学専攻の大学院生(M1/5名, M2/0名)がいます.毎年,約9名ずつ学部3年生の時から田中研究室に所属すると考えてください.田中研には留学生も多く所属し現在5名います.普段から英語でのコミュニケーション,プレゼンテーションを行なっているので,世界中に友人を作れるとともに,国際交流の大切さを体験できる研究室となっています.

田中研究室の卒業生の進路を教えてください.

田中研究室の卒業生は実に多彩です.田中研でデブリの研究に打ち込み,大多数は航空宇宙産業の企業やコンピュータに関わるエンジニアとして巣立って行きます.そのほかにも,海外の大学院への留学の道,デザイナーの道,医者の道に進んだ卒業生もいます.「自らの人生は,自分の頭で考え,自分の責任で意思決定しなさい」と常日頃話していますので,学生の就職活動への手助けはしていません.ただし,将来への迷いや相談があれば,すぐに対応するように心がけています.

田中研究室の卒業生OBOGとの接点はありますか?

田中研究室では年に約2回,OBOGと出会う(再会する)機会があります.田中研独自の研究発表会やイベント(映画鑑賞会や懇親会など)を通じて現役の学生と卒業生OBOGが一同に会するときがあります.その時に,情報交換が活発に行われ,研究活動,就職活動,将来設計などの相談ができる時間が作れるのではないでしょうか.先輩後輩との交流が長く深く続いているところが,田中研究室の特徴の1つと言えます.新型コロナ感染症の影響で,集まることを控えていましたが,2024年に入り以前のように活発に対面でのOBOGとの交流会を積み重ねています.

田中研究室に所属するにはどうすればいいですか?

まず,学部生として3年生から田中研究室に所属するには,東海大学の工学部・航空宇宙学科・航空宇宙学専攻の学生として入学することが大前提となります.さらに大学院生・修士課程として田中研究室に所属するには,東海大学の大学院・工学研究科・機械工学専攻の大学院生として入学することが大前提となります.さらに大学院生・博士課程として田中研究室に所属するには,東海大学の大学院・総合理工学研究科・総合理工学専攻の大学院生として入学することが大前提となります.可能な限りチャンスを平等にしたいと考えており,特に過去の入試に関する試験問題,傾向,対策など,アドバイスは積極的には行なっていません.学生自らの力で情報収集し,分析し,意思決定するための良いチャンスと考えているので,学生の力を信じて頑張ってもらっています.

田中研究室における学部から大学院への進学率を教えてください.

航空宇宙学専攻からの内部進学がほぼ100%で,外部からの進学は0%です.田中研究室の4年生のうち約1/2弱がそのまま大学院に進学している状況です.田中研究室では学生の成長を積極的に応援する体制もとっており,他大学への大学院進学も活発です.過去に次のような実績を残しています.東海大学大学院 工学研究科 機械工学専攻(修士課程),総合研究大学院大学(博士課程),九州工業大学 工学研究院 宇宙システム工学研究系(博士課程),九州大学大学院 工学研究院 航空宇宙工学部門(修士課程),電気通信大学大学院 情報理工学研究科(修士課程)

田中研究室の卒業生の就職先を教えてください.

田中研究室には,特定の人脈やパイプは全くありません.田中研に所属する学生は,自らの未来を具体的に想い描き,自らの意思決定で研究室から巣立って就職していきます.普段の学生生活や研究活動,就職活動をとにかく努力し頑張っています.その頑張りもあり,過去に次のような非常に優秀な実績を残しています.インターステラテクノロジズ株式会社,キヤノン電子株式会社,ソフトバンク株式会社,ヤフー株式会社,三菱電機ソフトウエア株式会社,三菱電機株式会社 鎌倉製作所,中日本航空株式会社,日本電気航空宇宙システム株式会社,日立製作所,株式会社IHIエアロスペース,株式会社オリエンタルランド,株式会社タニタ,スカパーJSAT株式会社,将来宇宙輸送システム株式会社,株式会社岩谷技研,アクセンチュア,その他様々な産業界の職業に就いて活躍しています.

田中研に所属することへの,メリットとディメリットは何ですか?

メリットは3つです.1)プログラミング力(+ICTの応用力)が身につく(Python, MATLAB, C++が中心), 2)情報収集+分析+意思決定+プレゼンの訓練を積み重ね,情報を嗅ぎ分ける力が身につく, 3)研究は難しいけれど楽しい!と知ることができる,気づくことができる,です.ディメリットも3つです.1)自ら考えて積極的に動かなければ虚無の時間だけが過ぎてしまう(事細かい研究指導はしていない), 2)最先端の研究を知るには,英語の論文を大量に読み込む必要がある(英語が苦手と言っている場合ではない), 3)デブリという研究テーマが特殊すぎて,研究テーマに直結した就職先が存在しない,就職できないこと,です.